接点復活剤について。
※下記はご参考までに記載致します。
あくまでも弊社の独断な感想で接点復活剤を悪く考えている訳ではありません。m(_ _)m
■接点復活剤について
昨今の無線機関係レストアに接点復活剤を使用する方が増えているので参考にして下さい。
無線専門誌でも「以後、接点不良防止のため接点復活剤使用」」と記載がありますが、要検討です。
適切に使用するならば「効果がない」とは言いませんが適切に使用することが大変に困難であり、しっかりと分解清掃
したほうが安心安全で良好な接点状態を安定的に維持できます。
では接点復活剤のメリットとは
1)高額商品である接点復活剤を使用すると「レストアした気分になる」
2)希にではあるが短期的に接触不良が改善するときもある。
それに対しデメリットとは
1)接触不良は改善しません。
既に酸膜等で接触不良を起こしている場合は酸膜を除去しない限り接点は元に戻りません。
2)益々接点不良となります。
接点復活剤に含まれる不揮発成分に埃等が呼び寄せられ周辺を汚濁。ますます接点不良となります。
3)樹脂を侵すします。
ベークライト等を侵し変質させます。
ベークライトと良くなじみベークライトを硬化させたり膨らんだりします。
硬化は基板割れの原因となり、膨張時両面基板ならスルーホール切れの原因となります。
4)接着剤を侵します。
プリント基板はベークライトやガラスエポキシの基板に接着剤で銅箔を貼り付けたものです。
接点復活剤の成分によりこの接着剤が侵されプリント基板のパターン剥がれの原因となります。
5)接着剤が付かなくなります。
不揮発成分の影響で接着剤がつきません。基板割れの補修も出来ません。
6)半田が乗らなくなります。
接点復活剤の強烈な不揮発分により半田付けが出来なくなることがあります。
天ぷら半田の原因となり全く修理に手を付けられなくなります。
それでもまだ「接点復活剤」を使用したいのでしょうか?
どうしても使用したい方へ
1)スライド接点以外には使えません。
ロータリースイッチ、スライドスイッチ、ボリューム、KEYジャックやスピーカージャック位が使いどころです。
押しボタンスイッチ、リレー接点、トグルスイッチ等の接点には使用できません。
2)接点以外に復活剤が付かないようにする。
スプレー式だからと油断してはいけません。KEYジャック等ならばプラグ側へ塗布しジャック側へ
スプレーしてはいけません。
理由は上記にありますね。
ボリュームならばカバーを開け抵抗体のみに塗布します。安価なボリュームはベーク板に抵抗体が
貼り付けられていますがベーク板に接点復活剤が付かないようにしなくてはいけません。
高級ボリュームや大型巻き線型ボリュームの場合はもう少しお気楽ではありますが接点以外に
復活剤が飛び散らないようにするのは基本です。
ベークライトサンドイッチのロータリースイッチはベークライトに復活剤が付かないよう爪楊枝等を使い
細心の注意をして塗布します。
ステアタイトのロータリースイッチならばもう少しお気楽ではありますが不揮発分が埃を呼び絶縁低下の
原因となりますのでやはり接点以外に復活剤が付かないよう注意が必要です。
3)万一のことを考慮し交換できない部分には使用しない
樹脂部品破損を考慮し壊れても交換できる部分にのみ使用する。
交換部品が手当出来るヘッドホンジャックやKEYジャック、ボリュームくらいしか使い所はありません。
※弊社では修理の際、接点復活剤は使用致しません。デメリットが多すぎるためです。