様々な不具合について依頼がありました。
初見
1)放熱板が油でベトベトです。
恐らく製造時の防錆油と思います。
2)内部は綺麗な物です。コンデンサの液漏れを疑いましたが防錆油のようです 。
3)発煙箇所を探しました。 CT1 R47,R45に発火痕が見られます。
発火部品から想像するに「ハイパワーでATUを動作させたもの」と推測します。
以下感想 です。
ヒートシンクサイズが小さくとても安定して100wを出せるような代物ではありません。
但しデバイスの能力は有りますし出力トランスも良い物が使用されています。
冷却方法を見直せば可能性は有りますが、製品そのままではPEP100wも厳しいと
感じます。
故障原因ですが「ハイパワーでATUを動作させたもの」と推測します。
取説3-2-3にATUのチューンは5wで行うように指示があります。
しかし取説3-2-4に「ATUのチューンは十分低電力で行うこと」との指示がないため
恐らく100w出力でのチューンを行ったのではないでしょうか?
写真を見ても分かるようにATU部のリレーはごく小さな物で、とても100wの電力を
入切出来るような物ではありません。チューンが取れた後の電力を通すのが
ギリギリレベルです。(大電力を入り切りしない使い方が必要です)
この日本語取説は不親切ですね。
修理結果
1)焼損したのはATU動作用の検出部でした。
R45,R47,TC1,D11を交換しました。
2)焼損の原因はハイパワーでのATUチューンを行ったため。と思案します。
ATUのチューンは少ないパワーで行うことが必要です。
3)ATUの動作確認しました。感心はしませんが動作します。
4)出力確認しました。バンドにより差はありますがそれなりの出力を確認
しました。
それにしても最新デバイスのRD100HHFは高ゲイン高効率で 驚きました。
ファン取り付け作業完了。
ファンの効果は絶大でリニアアンプとしては安心して使用できると思います。
テストもしました。スペアナで高調波特性を見てみましたが-55db程度と
感心はしませんが頑張っています(6db/octのカプラを使用し測定しています)
次期作が楽しみになりますね。
焼損部位
内部は綺麗な物です
防錆油でギトギトの放熱板
穴開け前のケース
ケース穴ケガキ
穴開け完了
ファン取り付け
加工済みケースを取り付け
高調波特性
動作試験中
Kommentare